米国株の強さが、まずこの日のマクロの軸だった。ニューヨーク市場では、AI開発競争を背景に業績期待が高まる半導体関連株に買いが集まり、ナスダックとS&P 500が最高値を更新し、インテルの急騰も目立った。
一方で、為替市場ではドルが下落した。ロイター日本語によると、中東和平協議の進展期待がドル売りにつながっており、安全資産としてのドル需要がやや後退した格好だ。株高とドル安の組み合わせは、投資家が米成長期待を維持しつつも、地政学リスクの変化を織り込んでいることを示す。
ただし、地政学を巡る不透明感が消えたわけではない。トランプ米大統領は、イランが米国の要求に沿う提案を行うとの見方を示した一方、G7はロシアと中国の核戦力増強への懸念を表明し、戦略環境の緊張を改めて浮き彫りにした。市場は和平期待と安全保障リスクの双方を同時に消化している。
アジアでは台湾情勢も政治リスクとして意識される。SC MPは、頼清徳政権が外交面で難しい局面に直面し、野党・国民党との対比が鮮明になっていると伝えた。台湾を巡る政治の揺れは、中台関係や地域の投資心理に波及しやすい。
個別企業では、OpenAIのサム・アルトマンCEOがカナダの銃撃事件を巡る対応について謝罪したとの報道もあった。直接のマクロ材料ではないが、AI企業への監督や説明責任の議論を強める可能性があり、今後の規制環境を通じてテック・セクターの評価に影響しうる。
総じて、足元では米テック主導の成長期待が相場を支える一方、ドル動向、地政学、規制、外交の不確実性が重なっている。アジア経済にとっては、外需と市場センチメントの追い風が続くかどうかに加え、これらの要因がインフレ期待や金融政策、資本フローにどう波及するかが重要になる。